有坂汀の音楽レビュー

私、有坂汀が今まで聞いていた音楽や、最近お気に入りの音楽をアルバム中心に紹介するブログです。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.5(第12,13番)(紙ジャケット仕様)

『孤高の天才』

という言葉がこれほどぴったり来る人がおそらく、空前絶後と

言ってもいいくらいに有名なピアニスト、グレン・グールドによる

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ12番と13番を収録したものです。

彼が製作したアルバムは、本作で76作目とのことで、

これは単純に

「すごいなぁ。」

と思いつつ、聞いていた当時の自分はそんなことは露知らず、

ただただ、演奏の世界に耽溺しておりました。

第12番 Op.26が収録されたのは1979年9月4月5日であり、

第13番 Op.27-1が1979年9月4日であったこと。場所はグールドの

ホームタウンであるカナダはトロント、イートンズ・オーディトリアム

にてとのことだそうです。

録音した時期は聞いてみると一回で録音したのかなぁと思わせるのですが、

実は5年もの歳月流れており、最晩年のころの彼の演奏で、

若さと才気あふれる演奏矢言動から、円熟味を増した晩年への『境地』へと

たどり着いたグールドの世界をうかがい知ることができました。