ハートに火をつけて
本作は1960~1970年代のアメリカン・ロックの歴史の中で
独特の魅力を放ち、根強い人気を誇るザ・ドアーズの
デビュー・アルバムです。僕がドアーズを聞いていたのは
ちょうど高校時代のことで、暗黒に塗りつぶされた高校生活のうち、
こういう音楽や映画、本にどれだけ救われたのか、感謝しても
し足りないわけでありますが、それをこうして紹介できることに
誇りを持っております。
1967年に発表され、現代でもテレビを見てみると時々、この
アルバムに収録されている楽曲が使用されているのを耳にすると、
改めてドアーズ持つ影響力に驚かされます。
タイトルにもなっている。「ハートに火をつけて」
や「ブレーク・オン・スルー」も名曲でありますが、
やはりそのハイライトは映画『地獄の黙示録』でも印象的に
使用され、「オイディプス王」の神話をモチーフにした
「父親を殺し、母親を犯す」
という衝撃的なテーマで描かれる難解な詩を
カリスマ的魅力を持ったヴォーカルのジム・モリソンが
凄艶に歌い上げる…。これを何度聴いているか分かりませんが、
未だに『ジ・エンド』のイントロが流れると僕は背筋に
鳥肌が立つのです。