わたしを断罪せよ
これはかなり前の話になりますが、『情熱大陸』で「フォークの神様」の異名を持つミュージシャン、岡林信康氏のことが取り上げられておりました。
彼は大のマスコミ、テレビ嫌いで、テレビ番組に出ること自体が、とても貴重なことだったのだそうです。
僕が岡林氏のことを知ったのは大学時代で、ドキュメンタリー監督で作家で森達也氏の『放送禁止歌』
という本とドキュメンタリー番組を読んだのがきっかけでした。
デビューしたのは学生運動の真っ盛りで、そのメッセージ性の強い歌は、現在でも放送禁止になっているものが多いのだそうですが、その放送禁止になっている代表曲の一つである岡林氏の『山谷ブルース』や『チューリップのアップリケ』なんかを聴いていると、「なぜコレが放送できないんだ!?」と首をかしげざるを得ないほど心に響くイイ歌だったことを現在でも鮮明に覚えております。
『情熱大陸』ではその『山谷ブルース』
と『チューリップのアップリケ』
が流れておりました。コレを流すことを決断した番組製作者は相当ハラが座っているとつくづくそう思います。
東京の九段会館で行われた彼のライヴには、漫画家の浦沢直樹氏をはじめとする多くの著名人たちがかけつけておりました。番組の最後のほうで、故美空ひばりが岡林氏に宛てて書いた歌詞に岡林氏が曲を書いてレコーディングを姿がありました。それも、心に染み入るような歌でありました。
本作は岡林氏がリリースしたファーストアルバムで『手紙』や『それで自由になったのかい』など初期の代表曲を多数収録されており、岡林氏は本作で一躍“フォークの神様”“若者の教祖”に祭り上げられるわけですが、同時に彼の苦悩もそこから始まるのです。
バックを支えるのはジャックス、西岡たかし、中川イサトなどURC人脈がずらりと並び、そういった意味でも現在では貴重な「記録」となっております。


