壊れた扉から
永遠の少年、尾崎豊の『十代三部作』の最後の作品。3rdアルバムです。
英題は『THROUGH THE BROKEN DOOR』
(スルー・ザ・ブロークン・ドア)といい、須藤晃氏の命名でしょう。
前作の『回帰線』からの路線を引き継いだ形で、彼独特のメッセージ性の
強いロック・チューンや切なさの溢れるバラードを中心に構成されてあり、
エレクトリックなアレンジが目立つ内容になっております。
このアルバムは彼の当時のバックバンドである「Heart Of Klaxon」と
彼とで作るアルバムとして企画され、制作されたのだそうです。
彼の十代最後の日にリリースすると言う無茶な企画のために
レコーディングは強行軍を極め、これは僕もはじめて知った話で
ございますが、3曲目の「Forget-me-not」、
6曲目の「Freeze Moon」
7曲目の「Driving All Night」
等は一発取りしたて行くがアルバムに収録されており、そう思って
訊いてみるとまた違った印象を持ってしまいます。
これが発売されたあと、彼は音楽活動の無期限休止を宣言し、
ニューヨークへと旅立っていくのです。内容的には
1曲目の『路上のルール』から9曲目の『誰かのクラクション』まで
彼のライヴ人生の中でも盛り上がる曲が収録されているのが
大きな特徴であると思います。個人的には彼の音楽と太宰治の文学は
多感な時期には1度通り抜けなければならないある種の『関門』
では無かろうかと、最近ではそう思うことにしております。
- アーティスト: 尾崎豊
- 出版社/メーカー: SMR
- 発売日: 2009/04/22
- メディア: CD
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