有坂汀の音楽レビュー

私、有坂汀が今まで聞いていた音楽や、最近お気に入りの音楽をアルバム中心に紹介するブログです。

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26歳と言う若さで早逝したロックミュージシャン、尾崎豊による

のセカンド・アルバムです。須藤晃氏によってつけられた英題は

TROPIC OF GRADUATION』(トロピック・オブ・グラデュエーション)です。

僕はこれを14歳の頃から聞き始めておりましたが、その珠玉の楽曲は、

あの頃から遠い月日を経た現在でも、折に触れて聞いております。

前作の『17歳の地図』よりも、メッセージ性やロック色が強くなっております。

よく彼のツアー中の映像で、バスの中でノートに向かって一心不乱に何かを

書き記す姿がありましたが、確か、彼は一つの歌の歌詞を作るのに大学ノートを

一冊丸ごと使ってその中に書かれた言葉を削りに削って現在われわれが知る

『かたち』へとまとめているのだと聞いたことがあります。

先行シングル「卒業」よく10代の頃の彼がコンサートでギラギラした感じで

演奏されておりますが、個人的にはあまり好きではありません。

しかし、この曲のヒットにより、一躍脚光を浴び始めた時期に発売され、

オリコンチャートで1位を獲得し、尾崎豊の名前を全国区へと知らしめたという事実は

疑いようもありません。しかし、この「卒業」の歌詞の一部

『夜の校舎窓ガラス壊して回った』などの過激な表現により、

影響を受けた若者が全国の中学校・高校などで急増し、

本当に校舎を破壊するなどの凶行に及んだため、

一部の学校では尾崎豊の楽曲を全面放送禁止に

するなど厳しい処置が取られたそうです。その事により、

多くの教師や親たちからは不良の象徴とされ、

若者に対して悪い影響をもたらす存在として認知されてしまいます。

その狭間で本人も悩み『ノーベルがダイナマイトを作ったがゆえの苦悩』

とまで口走るようになっていくのです。

そして、この頃から「10代の教祖」「若者のカリスマ」と呼ばれ、祭り上げられていく

という後戻りできないところに踏み出していくのです。

収録されている楽曲もかなり攻撃的なものが多く、

幾度となく『自由になりたくないかい?』とアジテーションし、ひたすらオーディエンスを

挑発する「Scrambling Rock'n'Roll」『受け止めよう』というサビの箇所に至るまで

彼の『哲学』がてんこ盛りになっている『存在』が収録されている一方。彼が

ミュージシャンになるきっかけとなり、Youtubeなどでそのオーディションの映像を

見ることが出来る『ダンスホール』これは彼が聴衆の前で歌った最後の曲に

なってしまいました。さらに、自分が社会人として親元を離れ、

自立していく希望と不安を歌った『坂の下に見えたあの街に』

そして、自分の内面を徹底的に見つめ、ミュージシャンとしての存在意義を歌った

『シェリー』など、本当に普遍性を持ち、他のミュージシャンにカヴァーされた

楽曲も多いです。彼の残した『10代3部作』は今後も永遠に残っていくのでしょう。

きっと。

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