ブラームス:間奏曲集/4つのバラードより/2つのラプソディ
僕がグレン・グールドを知るきっかけとなったのは
映画『羊たちの沈黙』にて、
ハニバル・レクター博士が脱走する際に警官を
撲殺していたシーンにかかっていた曲が
『ゴールベルク変奏曲』であることからでした。
で、大学時代に彼に関する評伝や
彼の手紙を読んでいたことです。
グールド=バッハという印象が強く、僕自身もまた
そう思っていた一人でございますが、
1960年に録音したこのブラームス晩年の作品から
間奏曲ばかりを集めた本作も、
グールドの隠れた名盤でございます。
ここに収録されている曲は、ブラームスが
晩年に作ったものが多いらしく、いわゆる
『枯れた境地』
にある楽曲の数々を、稀代の名ピアニストである
グレン・グールドが演奏することで
ある一つの『高み』に至っていると感じさせました。
僕はこのアルバムを思考が必要な作業の
時にかけて聞いていたのですが、
ピアノの演奏というのは時として
そういったこと『邪魔』になる場合が多いのですが、
それが全くなかったことが本当にありがたかったです。
カップリングとして収録されている
82年録音のブラームス「バラード集」と
「2つのラプソディ」から抜粋したものもまたとても素晴らしく、
『名演』とはこういうことかとそんなことを思うのでした。
- アーティスト: グールド(グレン),ブラームス
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2012/12/05
- メディア: CD
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