野口雨情傑作選-赤い靴-
ぼくが野口雨情のことを知ったのは、確か中学時代の
ことで、現在でも愛唱されている童謡や歌謡曲も
たくさん書いていらした詩人であることをこのアルバムを
聴いて改めて良くわかりました。歌詞をよく
聴いてみると、野口雨情は2012年に生誕130周年を迎えた
そうでありますが、そのノスタルジックで情緒あふれる
世界観は今でも全く色褪せてはおりませんでした。
1曲目に収録されている『赤い靴』も歌われている女の子
にはモデルがいたそうで、彼女はアメリカの宣教師に
養女に出されたのだそうです。
『黄金虫』も思い返しては時々口ずさんでみる
歌の一つでありまして、雨情の父が死後、家が没落して
日々の暮らしに追い立てられ、「持てる者の悲哀」を
味わったという全く歌の世界とは真逆の環境から
産まれたのだということを聞いて、衝撃を受けました。
『シャボン玉』も長女であるみどりを失ったという
悲しみから生まれた歌で、「消えた」という言葉が
4回も使われていることに
「そういうことだったのか…。」
と思ってしまいました。
少しこういうアルバムを聴くのはある種の「気まぐれ」
でありましたが、その結果はどうやら『吉』と
出たみたいでありました。