有坂汀の音楽レビュー

私、有坂汀が今まで聞いていた音楽や、最近お気に入りの音楽をアルバム中心に紹介するブログです。

アビイ・ロード

イギリスにおいて1969年9月26日に発売された、

ザ・ビートルズの12作目のオリジナル・アルバムです。

アルバムそのものの発売は『レット・イット・ビー』より先なのですが、

当時のビートルズの状況がしっちゃかめっちゃかで

マスターテープが1年間放り出されていたなどの事情や、

レコーディングされた時期はこちらのほうが遅いために、

実質的にはビートルズ最後のアルバムと言えると思います。

ファンの中にはこれが最高傑作であるという方も多く、『有終の美』

と呼ぶにもふさわしいかなと思います。アルバム全体の構成も

見事であると一言につき、この時期になると、

4人そろってレコーディングする機会は殆どなくなったにも

かかわらず、そんなバラバラな時期にあってもその危機感は

一切感じさせずにこの完成度の高さを出せるのは4人の4人たる

ゆえんであると思っております。ジャケットのアート・ワークも有名で、

撮影された場所はアビイ・ロード・スタジオの前の横断歩道で、

後年、レッド・ホット・チリ・ペッパーズがこれとまったく同じ構図ながら

全裸に股間にソックス一丁の格好で写真撮影をした事を始め、

現在でも数多くのファンたちが訪れる『巡礼の地』となっております。

『カム・トゥゲザー』のナンセンスな歌詞と印象的なイントロにはじまり、

メロディー・メイカーとして頭角を現し始めたジョージ・ハリスン

『サムシング』でその才能を遺憾なく発揮したと思えば、

『マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー』でシリアスな歌詞を情感

たっぷりにポール・マッカートニーが歌い。

後に伊坂幸太郎の小説のタイトルにもなった『ゴールデン・スランバー』

ジョン・ポール・ジョージの「ギターソロ合戦」が印象的な『ジ・エンド』

すべてを通して聴いても一つ一つの楽曲がとても印象的で、

「あ、これはいいな」

と思えるものが全編に渡って徹底されております。

セールスはイギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では17週連続、

アメリカの「ビルボード」誌では11週連続1位を獲得し、

1970年度年間ランキング第4位を記録しているのだそうです。

「キャッシュボックス」誌でも14週連続第1位獲得し、

1970年度年間ランキング第5位を記録している。

アメリカだけで1,200万枚以上、

全世界では2,900万枚以上のセールスを記録しているという、

まさにモンスター級のアルバムで、今後もまた永遠に聞かれ続ける

アルバムのひとつであると確信しております。

アビイ・ロード

アビイ・ロード