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有坂汀の音楽レビュー

私、有坂汀が今まで聞いていた音楽や、最近お気に入りの音楽をアルバム中心に紹介するブログです。

ジョンの魂

本作はジョン・レノンが「ザ・ビートルズ」解散後

初めて発売されたソロ・アルバムです。彼自身が『ファブ・フォー』

の一員から`個`へと意識を変化させつつあった変革の時に生まれた

きわめてプライベートな一面を多く含んだアルバムです。

これをはじめて聞いたのは高校時代のことですが、本当に影響を

多く受けたなと今でも思います。サウンド面はヴォーカル、ギター、

ベース、ドラムにピアノというシンプルなものながら、

とても力強い仕上がりになっております。参加したメンバーは

ジョンとヨーコのほかに、リンゴ・スター、クラウス・フォアマン、

ビリー・プレストン(ピアノで「ゴッド」のみ参加)、

そしてプロデューサーでもあるフィル・スペクター

(ピアノで「ラヴ」のみ参加)という個人的にもつながりの深い

面々でした。テープの回転を数落として録音された重い響きの

鐘の音で始まる『Mother』。

「母さん、行かないで 父さん、戻ってきて」

と延々と最後に叫ぶのは『プライマル・スクリーム』という彼ら夫婦が

当時受けていた精神治療の影響です。

A working class hero is something to be(労働者階級の英雄になるのは大変だ)

とサビの方で何度となく歌う『Working Class Hero

これも傑作ですね。歌詞の中にある社会風刺がそのまま現代にも相通じる

ものがあります。さらに『Love(愛)』では

シンプルな言葉で愛の本質を歌い上げ、そして圧巻の『God(神)』では

自らの信じているものをすべて挙げて聖書から始まり、

果ては自分が作り上げたビートルズさえも、

「僕は信じない」と歌われるのです。これをはじめて聞いたときは本当に

衝撃的でした。その後に「僕はヨーコと自分を信じる」

「愛する友よ、頑張っていこう、夢は終わった」

と歌い、彼の当時の『喪失感』を偲ばせるのです。

今でもこのアルバムを折に触れては聞き、彼のことに

思いをはせる自分がいるのです。いや、それを抜きにしても

このアルバムは音楽史上に残る傑作として今後も聞き継がれていくに

違いないと思っております。

 

ジョンの魂

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