有坂汀の音楽レビュー

私、有坂汀が今まで聞いていた音楽や、最近お気に入りの音楽をアルバム中心に紹介するブログです。

アズベリー・パークからの挨拶

「ロックンロールの未来」

「ボス」

という綽名を関せられるミュージシャン、ブルース・スプリングスティーン

ファーストアルバムです。このアルバムをはじめて聞いたのは

確か高校時代のことで、尾崎豊もまた高校時代に聞いていたことを

ライヴのMCで話していたことを思い出しました。

彼の音楽的なルーツである手紙のような性格をもった

デビュー・アルバムで

『処女作にはその作家のすべてが集約されている』。

ということを如実に感じさせるものでございました。

その歌い方も実在の固有名詞をマシンガンのように吐き出す

というもので、ラップを連想させるようなつくりで、

地元、クルマ、友人、酒、女、そして音楽。そんなことを

連想させる歌詞で、それでも『ボブ・ディランのような歌詞を書く』

という彼のスタイルが個人的な体験を普遍の芸術に昇華

させるものでございました。『成長するってこと』では

人生の意味を感じ、『都会で聖者になるのはたいへんだ』の

たたき付けるような言葉の嵐に打ちのめされてしまいました。

彼の音楽的な未来を予感させるこの1枚は聞いて損はないと思って

おります。

アズベリー・パークからの挨拶

アズベリー・パークからの挨拶