有坂汀の音楽レビュー

私、有坂汀が今まで聞いていた音楽や、最近お気に入りの音楽をアルバム中心に紹介するブログです。

サルバドールの朝

自分が見た映画の中で最も影響を受けている一つである

マヌエル・ウエルガ監督作品映画『サルバドールの朝』

(出演:ダニエル・ブリュールレオノール・ワトリング他)

のオリジナル・サウンドトラックが本作です。

現在でもメインテーマを聞くたびに理不尽な理由で

残酷に処刑されるサルバドールのシーンが頭をよぎり、

目頭が熱くなってしまいます。

個人的には「蒸気機関車のあえぎ(ロコモーティヴ・ブレス)」

「サルバドール・デスカンサ」

そして、エンディングテーマに流れる

「イ・スィ・カントゥ・トリスト」に主題歌のボブ・ディラン

名曲「天国の扉」他が収録されているのも嬉しいところです。

映画。ノベライズ。そしてサントラと僕自身がどっぷりと

この映画に浸りきったことには一片の後悔もありません。

彼が処刑された25歳のときは僕も人生で最悪の目に遭っており、

そういった経験もこの作品に対しての「思い入れ」を深めているのでしょう

そんな事を考えております。

 

 

 

サルバドールの朝

サルバドールの朝

 

 

シンドラーのリスト ― オリジナル・サウンドトラック Soundtrack

ホロコースト題材にしたスティーブン・スピルバーグ監督の

映画で、作曲はスピルバーグ監督の映画でもおなじみの

ジョン・ウィリアムズが担当しております。

この映画を始めてみたのは確か中学生ぐらいの頃だったかなと

おぼろげな記憶をたどってみるのですが、

今思えばずいぶんマセていたのかなと、中年になった

僕は思うのでした。

このサントラは折に触れては聞きたいアルバムの一つでありまして、

特にヴァイオリニストのイツァーク・パールマン

(彼もまたホロコーストの犠牲者で下半身不随)

によるテーマ曲は理屈抜きに魂に訴えかけるような畢生の

演奏です。

そのほかにも「ゲットー」が解体されるときに流れていた

子どもたちによる合唱曲や、シンドラーによって救われたユダヤ人

たちが希望の地へ向かう『黄金のエルサレム』なども収録されており、

流すたびに映画の内容が思い出されます。

シンドラーの相棒役である会計士のシュルテンがユダヤ教の経典である

「タルムード」の一節

「一人の命を救うものは、全人類を救うことができる」

の言葉を思い出しました。

 

 

 

 

 

シンドラーのリスト ― オリジナル・サウンドトラック

シンドラーのリスト ― オリジナル・サウンドトラック

 

 

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)

この人にとって始まりと終わりは同じところにあった。

そんなことを僕に感じさせたアルバムです。

伝説のピアニスト、グレン・グールドは1955年にこの作品の

センセーショナルなパフォーマンスで一躍有名となり、

その26年後。同じ曲を収録し、結果的にそれが「白鳥の歌

となったことはあまりにも有名です。

このグレン・グールドJ.S.バッハの「ゴールドベルク変奏曲」は

かのスティーブ・ジョブズ氏も生前に愛聴していた曲の

一つだそうです。

公認自伝によると、彼のiPodにはこのアルバムと55年の

ヴァージョンが入っていて、ジョブズ氏は81年版のことを

「人間的な成熟を感じる」

という趣旨のことを語っていたことを思いだしました。

僕もまた、幾度も聴き直したい名盤だと思っております。

 

 

 

 

 

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)

 

 

冬の散歩道 ~S&Gスター・ボックス

僕がコレを始めて聴いたのは、今からもう何年も前の話で、彼らの名曲である

「明日に架ける橋」が何度目かのマイブームになっていた頃であったと

この文章を書きながら思い出しております。

この作品はサイモン&ガーファンクルの中で誰もが一度は聞いたことが

あるであろうという名曲を網羅した日本独自編集のベスト版です。

「サウンド・オブ・サイレンス」、「スカボロー・フェア」

「59番街橋の歌(フィーリン・グルーヴィー)」

「コンドルは飛んで行く」など。数々のCMやドラマの主題歌や

挿入歌として使われ、聞くものの心をいつまでも魅了して止みません。

 

 

 

 

 

冬の散歩道 ?S&Gスター・ボックス

冬の散歩道 ?S&Gスター・ボックス

 

 

 

THE END OF EVANGELION ― 新世紀エヴァンゲリオン 劇場版

このサントラを時々いていると、1997年の重く立ち込めた夏に

立ち返ってしまいます。

『旧世紀版』と現在では呼称される

『 THE END OF EVANGELION新世紀エヴァンゲリオン 劇場版』

のサントラです。

その壮絶なトラウマ展開と難解なラストは語り草と

なったわけですが、それを盛り上げるのは作曲を手掛けた鷺巣詩郎氏の

音楽あってこそです。

気分がふさぎ込んでいるときに聴くと鬱が加速すること請け合いですが、

僕も作家の平野啓一郎氏同様

「気分が落ち込んでいるときに明るい曲は聞きたくない。」

口ですので、『三つ子の魂百まで』とはよく言ったものです。

戦略自衛隊によってネルフ本部が襲撃されるときの『他人の干渉』

から、弐号機が量産機と壮絶な死闘を繰り広げるときに流れている

『 管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068~第2曲アリア(バッハ)』

そして、「人類補完計画」が発動され、すべての人間がLCLへと

回帰していく時に流れる

『Komm,su[:]sser Tod~甘き死よ,来たれ』や

実写シーンで流れる

『心と口と行いと命もてBWV147~主よ,人の望みの喜びよ(バッハ)』

など、作業BGMとして聞いていると生産性がガタ落ちしてしまいそうですが、

それはそれでいいやとさえ、思っております。

 

 

 

 

THE END OF EVANGELION ― 新世紀エヴァンゲリオン 劇場版

THE END OF EVANGELION ― 新世紀エヴァンゲリオン 劇場版