有坂汀の音楽レビュー

私、有坂汀が今まで聞いていた音楽や、最近お気に入りの音楽をアルバム中心に紹介するブログです。

冬の散歩道 ~S&Gスター・ボックス

僕がコレを始めて聴いたのは、今からもう何年も前の話で、彼らの名曲である

「明日に架ける橋」が何度目かのマイブームになっていた頃であったと

この文章を書きながら思い出しております。

この作品はサイモン&ガーファンクルの中で誰もが一度は聞いたことが

あるであろうという名曲を網羅した日本独自編集のベスト版です。

「サウンド・オブ・サイレンス」、「スカボロー・フェア」

「59番街橋の歌(フィーリン・グルーヴィー)」

「コンドルは飛んで行く」など。数々のCMやドラマの主題歌や

挿入歌として使われ、聞くものの心をいつまでも魅了して止みません。

 

 

 

 

 

冬の散歩道 ?S&Gスター・ボックス

冬の散歩道 ?S&Gスター・ボックス

 

 

 

THE END OF EVANGELION ― 新世紀エヴァンゲリオン 劇場版

このサントラを時々いていると、1997年の重く立ち込めた夏に

立ち返ってしまいます。

『旧世紀版』と現在では呼称される

『 THE END OF EVANGELION新世紀エヴァンゲリオン 劇場版』

のサントラです。

その壮絶なトラウマ展開と難解なラストは語り草と

なったわけですが、それを盛り上げるのは作曲を手掛けた鷺巣詩郎氏の

音楽あってこそです。

気分がふさぎ込んでいるときに聴くと鬱が加速すること請け合いですが、

僕も作家の平野啓一郎氏同様

「気分が落ち込んでいるときに明るい曲は聞きたくない。」

口ですので、『三つ子の魂百まで』とはよく言ったものです。

戦略自衛隊によってネルフ本部が襲撃されるときの『他人の干渉』

から、弐号機が量産機と壮絶な死闘を繰り広げるときに流れている

『 管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068~第2曲アリア(バッハ)』

そして、「人類補完計画」が発動され、すべての人間がLCLへと

回帰していく時に流れる

『Komm,su[:]sser Tod~甘き死よ,来たれ』や

実写シーンで流れる

『心と口と行いと命もてBWV147~主よ,人の望みの喜びよ(バッハ)』

など、作業BGMとして聞いていると生産性がガタ落ちしてしまいそうですが、

それはそれでいいやとさえ、思っております。

 

 

 

 

THE END OF EVANGELION ― 新世紀エヴァンゲリオン 劇場版

THE END OF EVANGELION ― 新世紀エヴァンゲリオン 劇場版

 

 

わたしを断罪せよ

これはかなり前の話になりますが、『情熱大陸で』

「フォークの神様」の異名を持つミュージシャン、

岡林信康が取り上げられておりました。彼は

大のマスコミ、テレビ嫌いで、テレビ番組に

出ること自体が、とても貴重なことだったのだそうです。

僕が岡林氏のことを知ったのは大学時代で、

ドキュメンタリー監督で作家で森達也氏の『放送禁止歌

という本とドキュメンタリー番組を読んだのがきっかけ

でした。

岡林氏がデビューしたのは学生運動の真っ盛りで、

そのメッセージ性の強い歌は、現在でも放送禁止に

なっているものが多いのだそうですが、

その放送禁止になっている代表曲の一つである岡林氏の

『山谷ブルース』や『チューリップのアップリケ』

なんかを聴いていると、

「なぜコレが放送できないんだ!?」

と首をかしげざるを得ないほど心に響くイイ歌だったことを

現在でも鮮明に覚えております。『情熱大陸』では

その『山谷ブルース』と『チューリップのアップリケ』が

流れておりました。コレを流すことを決断した番組製作者は

相当ハラが座っているとつくづくそう思います。

九段会館で行われた彼のライヴには、漫画家の浦沢直樹氏をはじめ

とする多くの著名人たちがかけつけておりました。

番組の最後のほうで、故美空ひばりが岡林氏に宛てて書いた歌詞に

岡林が曲を書いてレコーディングを姿がありました。

それも、心に染み入るような歌でありました。

本作は岡林氏がリリースしたファーストアルバムで

『手紙』や『それで自由になったのかい』など初期の

代表曲を多数収録されており、岡林氏は本作で一躍

“フォークの神様”“若者の教祖”に祭り上げられるわけですが、

同時に彼の苦悩もそこから始まるのです。

バックを支えるのはジャックス、西岡たかし、中川イサトなど

URC人脈がずらりと並び、そういった意味でも現在では貴重な

「記録」となっております。

 

 

 

 

 

わたしを断罪せよ(通常プラケース仕様)

わたしを断罪せよ(通常プラケース仕様)

 

 

柴咲コウ Single Best

毎回12月の後半から1月の半ばになると、

僕にはいやでも思いだす曲が二つありまして、

それは、柴咲コウの『影』とレミオロメンの『粉雪』

であります。

あらかじめ断っておきます、僕は彼らの熱烈な

ファンではありませんので、少し筆が過ぎるのは

ご容赦ください。雪の日になると、この曲が頭の中に

流れてきて、当時の生活が古傷が痛むように、

疼くように思い出されるのです。

札幌にいた最後の半年に僕は本当に悲惨な生活を送っており、

今思い出すだけでも、辛くて辛くて仕方がありません。

すきっ腹を抱えて札幌の中心街をうろついていたころ、

大通りのハイビジョンテレビに彼らの『粉雪』の

プロモーションビデオがずっと流れており、だから

今でも

「こな~ゆき~」

などと、すごく複雑な気持ちになってしまうのです。

僕の『来し方』については後悔はありません。ただ、

自らの『行く末』を考えてみると、あまり人にこうして

人に対して言えることではないというのは、

大学生を対象に講義の真似事をしたこともあり、その思いが

強くなりました。

なお、このアルバムの中では他に「KISSして」や

月のしずく」なども良いです。やはり彼女は、歌が上手いです。

 

 

 

 

 

柴咲コウ Single Best

柴咲コウ Single Best

 

 

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

タイトルでピンときたかともいらっしゃるでしょうが、

今回のテーマは村上春樹の『1Q84』です。

初めて読んだときは久しぶりに小説に三日時間をとられました。

芥川賞とったくらいの小説なら30分くらいで読み終えてしまうので。

ここではさらりとしか触れませんが、内容はスポーツジムで

インストラクターをしながら裏でドメステイック・ヴァイオレンスの

被害に遭った女性の配偶者を暗殺する『青豆』という女性と

小説家を志しながら予備校の数学講師をしている

『天吾』という男性の物語が交互に展開される。というものです。

僕は読んでいる途中でブツブツと物語が途切れるのがイヤだったので、

作者の意図をまったく無視して青豆は青豆、天吾は

天吾の物語を片方ずつ、最後まで読みました。

青豆の話で最後のほうに、青豆の死が暗示されている

描写がありますが、結末は結果オーライです。

後づけで申し訳ありませんが、作中に、今回ここで

紹介しているヤナーチェクの「シンフォニエッタ

という曲が象徴的に使われております。小説を読んでから

曲を聞きましたが、なるほどと思いましたとさ。

 

 

 

 

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

ヤナーチェク:シンフォニエッタ