有坂汀の音楽レビュー

私、有坂汀が今まで聞いていた音楽や、最近お気に入りの音楽をアルバム中心に紹介するブログです。

柴咲コウ Single Best

毎回12月の後半から1月の半ばになると、

僕にはいやでも思いだす曲が二つありまして、

それは、柴咲コウの『影』とレミオロメンの『粉雪』

であります。

あらかじめ断っておきます、僕は彼らの熱烈な

ファンではありませんので、少し筆が過ぎるのは

ご容赦ください。雪の日になると、この曲が頭の中に

流れてきて、当時の生活が古傷が痛むように、

疼くように思い出されるのです。

札幌にいた最後の半年に僕は本当に悲惨な生活を送っており、

今思い出すだけでも、辛くて辛くて仕方がありません。

すきっ腹を抱えて札幌の中心街をうろついていたころ、

大通りのハイビジョンテレビに彼らの『粉雪』の

プロモーションビデオがずっと流れており、だから

今でも

「こな~ゆき~」

などと、すごく複雑な気持ちになってしまうのです。

僕の『来し方』については後悔はありません。ただ、

自らの『行く末』を考えてみると、あまり人にこうして

人に対して言えることではないというのは、

大学生を対象に講義の真似事をしたこともあり、その思いが

強くなりました。

なお、このアルバムの中では他に「KISSして」や

月のしずく」なども良いです。やはり彼女は、歌が上手いです。

 

 

 

 

 

柴咲コウ Single Best

柴咲コウ Single Best

 

 

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

タイトルでピンときたかともいらっしゃるでしょうが、

今回のテーマは村上春樹の『1Q84』です。

初めて読んだときは久しぶりに小説に三日時間をとられました。

芥川賞とったくらいの小説なら30分くらいで読み終えてしまうので。

ここではさらりとしか触れませんが、内容はスポーツジムで

インストラクターをしながら裏でドメステイック・ヴァイオレンスの

被害に遭った女性の配偶者を暗殺する『青豆』という女性と

小説家を志しながら予備校の数学講師をしている

『天吾』という男性の物語が交互に展開される。というものです。

僕は読んでいる途中でブツブツと物語が途切れるのがイヤだったので、

作者の意図をまったく無視して青豆は青豆、天吾は

天吾の物語を片方ずつ、最後まで読みました。

青豆の話で最後のほうに、青豆の死が暗示されている

描写がありますが、結末は結果オーライです。

後づけで申し訳ありませんが、作中に、今回ここで

紹介しているヤナーチェクの「シンフォニエッタ

という曲が象徴的に使われております。小説を読んでから

曲を聞きましたが、なるほどと思いましたとさ。

 

 

 

 

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

 

 

私を抱いて下さい(DVD付) CD+DVD

ここ何年かで久しぶりに「音楽」と向き合った気がします。

シングル「リンゴ売り」「裸電球」を含むシンガーソングライター、

中村中さんのセカンド・アルバムです。

衝撃的な内容でヒットを博したシングル「リンゴ売り」「裸電球」を含む

11曲が収録されており、CD+DVD盤のDVDには「リンゴ売り」と

「裸電球」のPV(Album version)、特典映像ほかを収録したものと

なっております。

僕は本作品を深夜、イヤホンをして延々と聞き込み、中村中さんの

音楽の世界に「潜って」行きましたが、翌日現実世界に帰って来る事が

困難でありまして、そのあたりは注意が必要です。

彼女の書く作詞の世界は相当に重く、演歌なのかとうかがわせるほどで、

なんでかなぁと思っていると

「日常にある葛藤や自身の考えを綴り作詞をし」

ているのだそうで、さもありなんだなと思いました。

個人的には『私が欲しいなら』や『あたしを嘲笑ってヨ』

『真夜中のシンデレラ』などが残っております。

 

 

 

私を抱いて下さい(DVD付)

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「パリは燃えているか」NHKスペシャル「映像の世紀」オリジナル・サウンドトラック完全版 Soundtrack

僕がNHKスペシャル映像の世紀」を見ていたのは

確か中学から高校時代のことで(どんな10代だか…。)

その中で音楽を担当されたのは加古隆氏でありまして、

2015年の戦後70周年とNHK放送開始90周年を記念した

NHKスペシャル『新・映像の世紀』されており、再度彼が

音楽を担当したとの話を聞いて、CDを買って繰り返し彼の音楽を

聞いていたことを思い出しました。

ここに収録されているのは、『映像の世紀』のテーマ曲である

「パリは燃えているか」の各ヴァージョンなどを収録した完全版であり、

重厚なピアノが奏でる「20世紀」と言う時代にさまざまな感慨を

覚えたことを思い出します。

後に自分で文章を書くようになったときに『映像の世紀』などで

見た知識が存外、役になっていることを大いに実感し、

自分の辿ってきた道が少なくとも間違ってはいなかったのだと

証明できた瞬間でもあります。

加古氏は“ピアノの詩人”とも評されるそうですが、なるほどとうかがえます。

 

 

 

 

 

天までとどけ

「友達の詩」が異例のロングヒットを記録したシンガー、

中村中のデビューアルバムです。

彼女の経歴に目を通し、

『15歳より独学で身につけたピアノで作曲をスタート。 2005年6月、自主制作盤「友達の詩」発売。 同年2月には岩崎宏美のアルバム「Natural」に楽曲。 2006年6月28日、21歳の誕生日に「汚れた下着」でデビュー。』

と書いてあるのを読んで

「あぁ。彼女はずいぶん壮絶な経歴を歩んできたんだなぁ。」

と思ってしまいました。

このアルバムを聞いていたのは確か20代の中盤あたりのことで、

表題作となっている

「友達の詩」

「私の中の「いい女」」

さらには

「汚れた下着」

も繰り返し聞いてたことを今では懐かしい思い出です。

「手探りで探しながら生きている「若さ」がテーマ」

だそうで、ヒリヒリするような焦燥感と、彼女の歌唱力があいまって、

素晴らしい内容となっております。

彼女の歌声は一度「ナマ」でじっくりと聞いてみたいものです。

 

 

 

 

天までとどけ(DVD付)

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